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肛門の病気の治療

treatment

肛門の病気の治療

肛門の病気の治療についてご説明します。以下の大項目から、ご覧になりたい項目を選んでください。

  • 肛門の病気の薬

  • 結紮(けっさつ)切除法[半閉鎖法]

  • PPH法[つり上げ法]

  • ホワイトヘッド法

  • ゴム輪結紮(けっさつ)法

  • 硬化療法(ALTAジオン注射)

  • 半導体レーザー焼灼(しょうしゃく)

内痔核の治療

軽いものは、排便習慣を整えることや、軟膏や座薬の投与で良くなることもあります。

肛門の病気の薬

ステロイドという消炎作用の強いものを含有する座薬、軟膏とステロイドを含まないもの、止血用のビスマス系の座薬があります。ステロイドも量の多いもの、少ないものがあり、症状状態によって使い分ける必要があります。症状の強さによっては飲み薬で消炎鎮痛剤や軟便剤を使用することもあります。痔ろう、肛門周囲膿瘍には坐剤は無効で、急性期は抗生剤を使用します。

新しい痔核治療「ALTA療法」

ついに出た。究極の痔核治療 イボ痔(脱肛)が切らずに治るってほんと?

平成17年4月より三菱ウェルファーマという製薬メーカーよりジオンという薬が発売になりました。痔核に注射する硬化療法のお薬です。すでに臨床治験は終わり、安全性は確認されていますが、まだ限られた専門医のみが使用可能です。

 

当院では、いち早く導入し効果の程を確認してまいりましたが、結論から言うと、とてもよく効きます。最初は、半信半疑でとても手術と同等の効果はないものと考えていましたが、かなり巨大なクルミ大のものも、まったく脱出がなくなりました。また、翌日からの排便時の痛みもほとんどありません。今のところ、素晴らしいとしか言いようが無いほど、私どももびっくりしています。

 

この治療は消痔霊(しょうじゃれい)といって中国で行われていました。成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニンで簡単に言えばミョウバンです。熱が出たり、直腸狭窄といった副作用もあり、まだ慎重に治療していく段階です。また、外痔核まで連続して固定が悪くなっている場合は、ジオンの適応ではありません。外側に注射すると強い痛みや腫れが起きるからです。

 

巨大な痔核の場合は再発することもあり、薬液量も多くなることから、手術を選択すべき病態も多く、手術が無くなるわけではありません。

どのようにジオン注を、投与するのでしょうか?

ジオン注はひとつの痔核に対して図のように4か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響がなくなるまで安静にする必要があります。

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ジオン注を投与すると、どうなるのでしょうか?

投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り出血が止まります。脱出の程度も軽くなります。

 

投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元 の位置に癒着固定して、脱出がみ られなくなります。(1週間~1か月)
 

出血が見られなくなります。脱出や肛門のまわりの腫れがなくなります。

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内痔核の手術治療

結紮(けっさつ)切除法[半閉鎖法]

内痔核手術の標準術式。脱出してくる痔核を、外痔核をふくめて切除する方法。手術後、便ががまんできなくなるなどの機能的障害は極めて少ない。切除するデザインが重要である。

利点

歴史も長く、確実な方法。外痔核もあわせて切除可能なため、肛門の形を形成しやすい 。

欠点

手術後の排便時に若干の痛みを感じる。術者の技量により差がでやすい。

PPH法[つり上げ法]

痔核は切除せず、痔核上部の直腸の粘膜を環状に切除し、同時にホチキスのようなもので縫い合わせる器械を使用する方法。これにより、切除した粘膜の幅だけつり上がるため、垂れ下がってくる痔核を、肛門内部の正常な位置へもどすことができ、痔核は肛門外へでなくなる。痔核自体は残るが、血流が遮断されるため、縮小してしまう。

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内痔核は進行すると、排便時などに肛門の外へ脱出する ようになります。また、一緒に健康な粘膜まで肛門の外へ ずり落ちてきます。

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麻酔をかけ痛みを感じない粘膜を処置します。

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器械を肛門から挿入し、緩んだ粘膜の切除と縫合を同時に行います。

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緩んだ粘膜を切除したので痔核は元の正しい位置に吊り上げられ、痔核にそそぐ血管を遮断するので痔核は次第に小さくなります。

利点

切除する、直腸の粘膜は痛覚がないため、手術後の痛みが少なくて済む。回復が早いため、入院期間が短縮され、社会復帰が早い 。医師の技量による差がでにくい 。

欠点

一定の幅しか切除できないため、大きく脱出する痔核には効果がうすい外痔核をあわせてもっている場合には不向きである。手術当日の出血が従来法に比し多い 。歴史が浅いため、再発率のデータが乏しい 。

ホワイトヘッド法

痔核痔核を含めた肛門上皮の環状切除法 後遺症が多く、今はほとんどやられていない。

ゴム輪結紮(けっさつ)法

ゴム輪結紮(けっさつ)器や内視鏡で、痔核の根部をしばってしまう方法 痔核の根っこで縛られるので血流が遮断され、大きくなった痔核は縮小、退化する。

硬化療法

フェノールアーモンドオイルや消痔霊(しょうじゃれい・みょうばん)を痔核に注射して痔をかためる方法

半導体レーザー焼灼(しょうしゃく)

痔核のみを、レーザーで焼いてしまう方法 今のところ小さな痔核にたいして行われている。明らかに脱出する痔核に対しては疑問視する意見が多い。

裂肛(きれ痔)の治療

急性期の軽い時期であれば、排便習慣を整えることによって、治癒します。つまり、軟便剤と軟膏や座薬で治ることが多いのです。最近ではニトログリセリン軟膏という肛門括約筋を広がりやすくする治療も有効です。ただし、慢性化しポリープができたり肛門が狭くなってしまった場合、手術が必要となります。

痔瘻の治療

手術するしかありません。座骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻といった複雑な痔瘻になると、肛門を絞めたりひらいたりする重要な括約筋の解剖に熟知する必要があり、専門医でなくては不可能な手術といえます。当院では基本的に、筋肉温存手術を行いますが、病態によっては、切開開放術式や、シートン法といって、ゴム輪をかけゆっくり切離していく方法を選択します。

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