バレット食道とは
バレット食道の症状

バレット食道は、症状の有無や程度に個人差があり、無症状の場合もあります。しかし、多くの場合は逆流性食道炎に伴う症状が見られ、主な症状として胸やけやみぞおちの痛み(心窩部痛)が挙げられます。また、酸っぱい液体が逆流することによる呑酸(すっぱいげっぷ)や通常のげっぷの増加、喉の違和感や痛み、食べ物が詰まる感覚などの不快感を感じることがあります。その他にも、吐き気や腹部膨満感(お腹の張り)、咳などの症状が現れることもあります。これらの症状が持続する場合は、食道粘膜の損傷や出血などの合併症を引き起こす可能性があるため、適切な医療機関での診察が推奨されます。
バレット食道の原因
バレット食道は、主に逆流性食道炎が原因となって発症する疾患です。胃液が食道に逆流し、食道粘膜が継続的に胃酸にさらされることで炎症が起こります。食道粘膜は本来、胃液の刺激に対して脆弱であるため、この炎症が繰り返されると、防御機能として通常の扁平上皮が胃の粘膜に似た円柱上皮へと変化していきます。また、一度バレット食道を発症した後も、胃酸の逆流が続くことでその範囲が徐々に広がっていく可能性があります。近年では、食生活の欧米化などの影響により、逆流性食道炎の患者数が増加傾向にあり、それに伴ってバレット食道の発症も増えていくことが予想されています。症状を放置すると食道がんのリスクが上昇する可能性があるため、適切な治療と経過観察が重要です。
バレット食道の治療法
バレット食道は、一度発生すると現時点では完治が難しい疾患です。治療は主に原因となる逆流性食道炎の症状緩和と、バレット食道がんの予防に焦点を当てて行われます。治療方針は、バレット食道の範囲によって異なり、3cm未満の狭い範囲(SSBE)と3cm以上の広い範囲(LSBE)で対応が変わってきます。多くの患者さんはリスクの低いSSBEですが、症状や範囲に応じて胃酸の分泌を抑えるPPI(プロトンポンプ阻害薬)などが処方されます。また、生活習慣の改善も重要で、高脂肪食や刺激物の摂取を控え、食後すぐの就寝を避け、適度な運動で肥満を予防することが推奨されます。特に重要なのは定期的な胃カメラ検査による経過観察で、これによってバレット食道がんの早期発見につなげることができます。

バレット食道は、慢性的な胃食道逆流により、食道下部の粘膜が変化する状態を指します。通常、食道は扁平上皮で構成されていますが、胃酸や胆汁による持続的な刺激により、胃の粘膜に似た円柱上皮へと置き換わってしまいます。この変化した粘膜の長さによって、3cm未満をSSBE(Short Segment Barrett's Esophagus)、3cm以上をLSBE(Long Segment Barrett's Esophagus)と分類します。特にLSBEでは食道がん化のリスクが高くなります。バレット食道から発生する癌は「食道腺癌」または「バレット食道癌」と呼ばれ、通常の扁平上皮癌とは異なります。健常者と比べて食道癌の発症リスクが30-60倍高いとされており、特に近年は食生活の欧米化に伴い、日本でも増加傾向にあることが懸念されています。バレット食道自体は生命に直接関わることはありませんが、がんの発生母地となる可能性があるため、適切な経過観察が重要です。