Intestinal obstruction 腸閉塞

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腸閉塞とは

腸閉塞は、まるで腸の中で交通渋滞が起きているような状態です。通常、私たちの腸は尺取り虫のような動き(蠕動運動)で食べ物を送り出していますが、何らかの理由でこの"道路"が狭くなったり塞がったりすると、食べ物や消化液、ガスなどが通過できなくなってしまいます。
腸閉塞には機械的なものと機能的なものがあり、原因はさまざまです。特に、便秘がちな方や腹部手術・大腸がんの経験がある方は注意が必要です。これらの方々は腸閉塞のリスクが高まる可能性があるため、体調の変化に敏感になることが大切です。
重症度には個人差があり、軽症で済むケースもあれば、緊急手術が必要な場合もあります。特に、腸の血流が悪くなる絞扼性腸閉塞は緊急性が高いです。このような状態では、腸の一部が壊死する可能性があるため、速やかな対応が求められます。
腸閉塞は決して珍しい病気ではありません。しかし、適切な予防と早期発見、適切な治療により、多くの場合で良好な回復が期待できます。腸の健康は全身の健康にもつながります。日頃から腸に優しい生活を心がけることが、腸閉塞の予防につながるのです。

腸閉塞の症状

最も一般的な症状は腹痛で、軽い不快感から激痛まで様々です。同時に、お腹の張りや便秘、吐き気や嘔吐も現れます。これらは腸の中で"渋滞"が起きている証拠といえるでしょう。
特に注意が必要なのは、症状が繰り返し起こる場合です。癒着性腸閉塞では、このような再発が特徴的です。経験者の中には、軽い便秘と腹痛だけで発症を予測できる方もいます。
最も危険なのは絞扼性腸閉塞です。腸が強く締め付けられ、血流が悪くなると、腸が壊死したり穴が開いたりする可能性があります。この状態では発熱や血圧低下も起こりやすく、生命の危険さえあります。
腹痛の部位や性質、随伴症状にも注目です。持続的な痛みや繰り返す嘔吐、発熱などが現れたら緊急性が高いサインです。
腸閉塞の症状は個人差が大きいですが、いずれも腸からの重要なメッセージです。早期発見が治療の鍵となるため、気になる症状があれば迷わず医療機関を受診しましょう。

腸閉塞の原因

腸閉塞は、消化管の通過障害を引き起こす複雑な病態です。その原因は大きく二つに分類されます。
第一に、腸管の物理的な閉塞である機械的イレウス。これは腸管の内腔が実際に狭くなったり塞がれたりする状態です。
第二に、腸管の運動機能が低下する機能的イレウス。ここでは腸の形態は正常でも、蠕動運動が停滞します。
機械的イレウスはさらに、血行障害の有無で二分されます。血行障害を伴わない閉塞性イレウスでは、癒着や腫瘍が主な原因となります。一方、血行障害を伴う絞扼性イレウスは、癒着による腸管のねじれや嵌頓により発生し、緊急性が高い病態です。
機能的イレウスの代表例は麻痺性イレウスで、高度の便秘や手術後や重症感染症に続発することもあります。薬剤性や代謝性の要因も無視できません。
特筆すべきは、腹部手術後の癒着が最も頻度の高い原因であることです。手術による組織損傷が癒着を誘発し、腸管の可動性を制限します。さらに、化学療法や放射線治療も癒着のリスクを高めます。

腸閉塞の治療法

腸閉塞の治療は、腸を「休養させる」ことから始まります。軽度の場合、保存療法が第一選択となります。これは腸の「スイッチオフ」とも言える方法で、絶食と点滴による水分・電解質補給が基本です。さらに、鼻から腸へチューブを挿入し、腸内の「減圧」を行うこともあります。これは腸内の「渋滞解消」を目指す処置です。
しかし、症状が改善しない場合や血行障害を伴う絞扼性イレウスでは、手術が必要となります。これは腸の「緊急修復工事」とも言えるでしょう。近年では腹腔鏡手術も増えており、より低侵襲な治療が可能になっています。
治療の選択は腸閉塞の種類により異なります。単純性腸閉塞の80%は保存的治療で改善しますが、複雑性腸閉塞では緊急手術が必要です。機能的腸閉塞は基本的に保存治療です。
重要なのは、自己判断で水分や食事を摂取しないことです。これは症状を悪化させる「逆効果」となります。適切な診断と治療が、腸閉塞からの回復への近道となります。

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