Ulcerative colitis 潰瘍性大腸炎

PAGE TOP

前ページへ
もどる

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患(IBD)の一種で、大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こす難病です。病変の広がりによっていくつかのタイプがあります。症状は寛解期と再燃期を繰り返しながら進行し、粘膜表面のただれ(びらん)や、より深部までの損傷(潰瘍)を引き起こします。
病気の発症メカニズムは完全には解明されていませんが、自己免疫反応による過剰な炎症が主な原因と考えられています。適切な投薬により粘膜治癒の状態を維持することが重要です。
潰瘍性大腸炎は厚生労働省により難病指定を受けているため、軽症以外の方は難病医療費助成制度を利用することができます。これにより、患者の医療費の自己負担が軽減されるため、長期的な治療を継続しやすくなっています。
診断や治療に関しては、消化器内科の専門医による適切な管理が重要です。定期的な検査や症状に応じた治療により、多くの患者さんが日常生活を送ることができるようになっています。

潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎の主な症状は、下痢や血便、腹痛です。初期段階では血便のみが現れることもありますが、病状が進行すると下痢や軟便の頻度が増加し、1日に10〜20回もトイレに行く必要がある場合もあります。また、しぶり腹(便意はあるが排便できない状態)を伴うこともあります。
症状の重症度は活動期と寛解期を繰り返し変動します。重症化すると、発熱、体重減少、全身倦怠感、食欲不振、貧血などの全身症状も現れます。さらに、口内炎などの皮膚症状、関節痛、目の痛みやまぶしさといった合併症が生じることもあります。
炎症が進行すると、便に血液だけでなく粘液や膿が混じるようになります。また、膵臓、心筋など他の臓器に症状が現れる場合もあります。
症状が一時的に消失する寛解期があるため、完治したと誤解して治療を中断してしまうケースがありますが、これは次の活動期で症状を悪化させる可能性があります。そのため、症状の有無にかかわらず、継続的な治療と専門医による定期的な経過観察が重要です。

潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の明確な原因は現在も解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。主な要因として、自己免疫系の異常が挙げられます。これは、白血球が誤って自身の大腸粘膜を攻撃してしまう現象を指します。
また、遺伝的要因も重要な役割を果たしているとされ、家族歴のある人はそうでない人と比べて発症リスクが高くなる傾向があります。さらに、環境要因として、食生活の乱れや腸内細菌叢の変化、ストレスなども発症や症状の悪化に関与している可能性があります。
これらの要因が複雑に絡み合って発症に至ると考えられていますが、個人によって影響度は異なります。そのため、潰瘍性大腸炎の家族歴がある方、食生活が乱れている方、ストレスを多く抱えている方は、特に注意が必要です。
予防法は確立されていませんが、バランスの取れた食生活を心がけ、ストレス管理を行うことで、発症リスクや症状悪化のリスクを軽減できる可能性があります。

潰瘍性大腸炎の治療法

潰瘍性大腸炎の治療は、症状の緩和と寛解期の維持を目的とした薬物療法が中心となります。現在、様々な治療薬・新薬が登場することで手術(外科手術)の頻度は減っています。適切な治療により症状のコントロールが可能です。
主な治療薬として、5-アミノサリチル酸製剤が広く使用され、大半の患者に効果を示します。炎症が強い場合には、短期間のステロイド治療が行われることがあります。また、免疫調整薬や生物学的製剤(抗TNFα受容体拮抗薬)なども症例に応じて使用されます。
重要なのは、症状が改善しても治療を継続することです。寛解期に入っても薬物療法を続けることで、再燃を防ぎ、良好な状態を長期間維持できます。
重症例や内科的治療で改善が見られない場合は、入院治療や外科的治療(大腸全摘出術)が検討されます。また、大量出血や穿孔、癌の疑いがある場合も手術の適応となります。
治療方針は個々の患者の症状や病状に応じて決定されるため、専門医との綿密な相談が不可欠です。