Ischemic enteritis 虚血性腸炎

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虚血性腸炎とは

虚血性腸炎は、多くは大腸の血管の収縮により血流が低下することによって粘膜の虚血に陥る症状です。大腸に栄養を届ける血液の巡りが滞り、その結果大腸の一部が必要な酸素や栄養を受け取れなくなってしまった状態です。
主に左側の大腸、特に下行結腸やS状結腸で起こりやすいのが特徴です。血流が不足した部分では、大腸の内側を覆う粘膜に赤みやむくみが現れ、さらに悪化するとびらんや潰瘍となり出血(下血)を引き起こします。
この病気は女性に多く見られる傾向があります。年齢や生活習慣が影響している可能性がありますが、詳しいメカニズムは未だ研究中です。

虚血性腸炎の症状

主な症状としては、突然の腹痛や下痢、場合によっては血便が見られることがあります。 特にS状結腸や下行結腸の位置する左側のお腹で発症することが多く、軽く押すと痛みを感じること事もあります。時には痛みが強く、冷や汗や吐き気、微熱を伴うこともあります。
血便は特に患者さんを驚かせる症状です。最初は普通の便が出ても、その後鮮やかな赤色の血便になることがあります。
まれに、お腹の張りや嘔吐といった症状が現れることもあります。これらは腸閉塞の可能性を示唆する重要なサインです。
症状の程度は人によって様々ですが、初期の強い症状が落ち着いた後も、1〜2週間ほど軽い痛みが続くことがあります。気になる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。適切な診断と治療により、多くの場合で回復が見込めます。

虚血性腸炎の原因

この病気を引き起こす要因には、動脈硬化や血栓の形成、血圧の低下、脱水状態の他、若い人でも便秘や下剤服用後などに発生することが増えています。また、私たちの日常生活や健康状態と密接に関わっています。
最も身近な原因は意外にも便秘です。便秘は腸内の圧力を上げ、血液の流れを妨げる可能性があります。また、水分不足による脱水も血液を濃くし、流れを悪くします。
生活習慣病も大きな影響を与えます。高血圧、糖尿病、脂質異常症などは、血管を細くし硬くする動脈硬化を引き起こします。これらの疾患は、虚血性腸炎だけでなく、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高めるため、注意が必要です。
その他、ストレスや偏った食生活、運動不足も関連があると考えられています。特に中高年の女性や透析治療を受けている方は発症リスクが高いとされています。

虚血性腸炎の治療法

虚血性腸炎の治療は、多くの場合数日間の安静で症状が改善します。これは「保存的治療」と呼ばれ、腸に優しい食事と十分な水分補給が基本となります。
症状が重い場合は、入院して腸を完全に休ませる「絶食療法」を行うことがあります。この間、点滴で必要な栄養と水分を補給します。炎症が強い場合には細菌感染を予防するために抗生物質を使用することもあります。
通常、2〜3日で腹痛が軽減し、血便も薄くなっていきます。その後、おかゆなどの消化の良い食事から徐々に通常の食事に戻していきます。多くの患者さんは数日で日常生活に戻れます。
ただし、腸の狭窄や壊死が見られる重症例では手術が必要になることもあります。これは稀なケースですが、迅速な対応が求められます。
治療後は再発防止が重要です。生活習慣病の管理や動脈硬化の予防など、根本的な原因に対処することで、健康な腸を維持できます。気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。適切な治療と生活改善で心がけましょう。

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