便秘・排便機能外来
便失禁や便秘など、排便機能障害でお困りの方を対象とした専門外来を、月2回設けております。排便の異常は肛門機能の低下や骨盤底筋のゆるみ、食生活や排便スタイルなど様々な要因がからんでいます。排便機能外来では、排便にまつわる困りごとの背景を探り、必要に応じて直腸肛門機能検査や肛門超音波検査、大腸内視鏡検査を行います。 治療法は多岐にわたりますが、生活指導、内服薬処方、バイオフィードバック療法等、個々人にあった治療法を行っていきます。
便秘症
便秘とは、「本来排泄すべき便が腸内に長期間とどまり、スムーズに排出されない状態」を指します。以下の症状が見られる場合、便秘の可能性があります。
- 便が硬く排出しにくい
- 排便回数が減少する
- 腹部の膨満感や不快感が持続する
- 排便後もすっきりしない感覚がある
- 強くいきまないと排便できない
このような症状が持続する場合は、慢性便秘症の可能性があり、医療機関での診察が推奨されます。
便秘のタイプ
便秘には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
排便回数減少型(腸の運動低下によるもの)
腸の蠕動運動が低下し、便の移動が遅くなることで生じる便秘です。
排便困難型(直腸・肛門の機能的問題によるもの)
便が直腸まで達しても排出が困難なタイプで、直腸の知覚異常や骨盤底筋の協調不全が原因となることがあります。
便秘の種類を正しく把握することで、適切な対処が可能となります。
便秘の主な原因
便秘の発症には、以下の要因が関与することが知られています。
- 水分および食物繊維の摂取不足
- 運動不足による腸の活動低下
- 精神的ストレスや生活リズムの乱れ
- 加齢による腸管機能の低下
- 内科的疾患や薬剤の副作用
便秘の治療と管理
便秘の管理は、生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物療法を併用します。
食生活の改善
- 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、果物、全粒穀物など)を積極的に摂取
- 適切な水分補給
- 発酵食品(ヨーグルト、納豆など)を取り入れる
運動習慣の確立
適度な運動(ウォーキング、ストレッチなど)は、腸の活動を促進する効果があります。
排便習慣の確立
- 一定の時間にトイレに行く習慣をつける
- 過度にいきむことを避ける
薬物療法の活用
生活習慣の改善のみで症状が改善しない場合、医師の指導のもと、適切な薬物療法を行うことが推奨されます。
慢性便秘症は、日常生活の質(QOL)にも影響を及ぼします。気になる症状がある場合は、適切な診断と治療を受けることが重要です。
便失禁(便漏れ)
便失禁とは、自分の意志とは関係なく便が漏れてしまう症状で、便意を感じてもトイレまで我慢できずに漏れる切迫性便失禁と、便意を伴わずに気づかないうちに漏れる漏出性便失禁とがあります。 現在、日本で約500万人が悩んでいると言われています。特に高齢者だけでなく、30代以降の女性にも多くみられ、決して珍しい病気ではありません。
直腸肛門内圧検査とは
直腸肛門機能検査の一つで、肛門の筋肉の動きや締め具合を測定する検査です。主に便失禁の原因を調べるために行います。肛門に細いチューブを挿入し、安静時や排便時の圧力を測定します。検査に痛みを伴うことはほとんどありません。
検査機器
スターメディカル社製 Starlet ano(ST4000/12K12L)
検査方法

- ベッドに体を左下にして横になり、太ももを90度に曲げた体勢で検査を受けていただきます。
- 肛門に細いチューブ(直径5mm弱)を約6cm挿入します。
- チューブを挿入した状態で、安静時や排便時の肛門の圧力を測定します。
- 検査時間は数分程度で、痛みはほとんどありません。
バイオフィードバック療法とは
肛門括約筋の機能を改善するための治療法で、患者さん自身がモニターに表示された筋肉の動きをリアルタイムでモニタリングしながら締める力や緩める力を意識的に調整し、排便をコントロールする方法を学んでいただきます。 訓練で得たコツを忘れずに、ご自宅でも継続して骨盤底筋訓練を行うことが大切です。
方法
- 肛門内圧検査で使用する細いチューブ状のセンサーを肛門に挿入し、肛門括約筋の活動を計測します。
- センサーで計測されたデータは、モニターにリアルタイムで表示されます。
- 患者さんはモニターを見ながら、肛門を締める、緩めるなど肛門の筋肉を意識的に動かす訓練をします。
バイオフィードバック療法は、骨盤底筋訓練の効果を高めるだけでなく、便意を我慢する感覚や、便を出す感覚を身につけることを目指します。
このようなお悩みはご相談ください
- 便が漏れる
- 便や粘膜で下着を汚してしまう
- ガスが漏れてしまう
- 便秘が続いている(慢性的に出にくい)
- いきんでも便が出ない/出し切れない感じがする
- 便が細い、途中で止まる、時間がかかる
- 残便感、頻回にトイレへ行く
- 下剤・浣腸を使っても改善しない
- 肛門の違和感や痛みがあり排便がつらい
- 産後や手術後から排便がうまくいかない など
「年齢のせい」「体質だから」と我慢せず、お気軽にご相談ください。
外来日・診療時間
| 診察日 | 毎月 第2・第4 月曜日 |
|---|---|
| 診療時間 | 13:15 ~ 15:00 |
| 担当医師 | 下地 信 (肛門機能・排泄機能の専門医) |
※学会、その他の事情により変更となる場合があります。事前にご確認ください。
